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子供のころの風景を取り戻すんですね [環境]

やでやで

今日は地元の環境講座の後、自転車に乗ろうと思ったのですが

どうも体がだるく、自転車はやめてしまいました


で読書感想文です

しかも、長いです

たぶん2回に分かれます

今年読んだ本で一番考えながら読みました。あノンフィクションです

あ書きすぎなので読みたい人は読まないほうがいいかも



コウノトリ、再び

コウノトリ、再び

  • 作者: 小野泰洋
  • 出版社/メーカー: エクスナレッジ
  • 発売日: 2008/08/28
  • メディア: 単行本



最近トキの放鳥が話題になりましたが

兵庫県豊岡市でコウノトリの放鳥が

20005年より行われています

このノンフィクションはそのコウノトリの保護繁殖と放鳥、野生復帰を目指した

まあ大げさですが奇跡の物語ですね


話は関わった何人かの人にスポットを当てる形で進行していきます


で話は大きく2つに別れ、保護繁殖から放鳥までのコウノトリに直接関わった人の話と

放鳥後の生息環境、生きるための場所、要するに湿地、最大のものは田んぼですね。

コウノトリの餌となる魚のどのたくさん住む、自然豊かな田んぼを作ることに挑戦した農家の話です


で今日は、保護繁殖から放鳥までのコウノトリに直接関わった人の話について書きます


豊岡は日本で最後までコウノトリがいたところだそうで

彼らの多くを突き動かした大きなものそれは子供のころの記憶

コウノトリが身近に住んでいた頃の豊かな自然の記憶なのです


コウノトリは生態系の頂点に立つ鳥だそうで、コウノトリがいる、

すなわちそこには豊かな自然にあふれた田んぼや湿地があるということだそうです


これは豊岡だけではないのですが

以前は

稲作は自然のサイクルの中で行われてきました

そこには多くの生物、小川や田んぼには多くのフナやドジョウ、メダカ、モロコなどの魚、

田んぼにはカエル等の両生類が満ち溢れて、コウノトリも人の側で暮らしていたのです

そして、それらを追い掛け回して子供は過ごしていました


やがて農薬や化学肥料などが使われるようになり

田んぼから生物の姿は消えていき

自然と切り離された稲作が行われるようになり

コウノトリも姿を消したのでしした


しかし豊岡では粘りづよくコウノトリの保護繁殖が行われており、だんだんと

繁殖に成功していったのでした


この話は時代の流れというか状況の変化にも大きく影響を受けています

それまでは天天然記念物は保護するだけで人に見せるという発想がなかっため

だんだんと人の記憶から忘れられていたんですね


で、それではいけなので、

人が接したり理解できる機会を作り、価値を伝え保して行こう

という事が進められるようになったんですね

それがこのコウノトリの放鳥におきな影響を与えたようです


で次に出てくるのがコウノトリの放鳥を市民にどのように受け入れてもらうのか

せっかく放鳥しても市民に受け入れられ協力してもらわないと

コウノトリは生きていませんし、またそもそも放鳥ができません


で繁殖のための施設などを開放し市民に開放したり、飼育をする人たちが

直接市民に情報などを伝えました。で注目すべきは「楽しさ」が大切な要素として活動したということです

また全国的に注目されるようになって市民の意識も変わったようです


コウノトリに関わる人の意識も大きく変わっていったようです

この本にはこんな言葉が出てきます

「コウノトリが野生復帰するためのさまざまな努力をすることは、 とりもなおさず、人間が近代化の中で、失ってきたものをもういっぺん再生するという、 そのことが一番大きな意味だと思います」

「そもそもコウノトリが住めるような環境とは、人間にとって素晴らしい環境ではないのか(中略) コウノトリが住めるような豊かな環境をもう一度創り上げようというふうに、環境の意味が反転するのですね




また、こういう事業にはどうしても経済の話が出てきます

コウノトリで飯が食えるんかと


でも豊岡には多くの人が押し寄せるようになり

(私も行きたいですハイ)

そこで作られるお米もいい値段で売られるようになったそうです


で今日の最後は 中 貝 宗 治 市長の言葉で締めくくりましょう

「人間はその地の自然とうまく適合するようにしか生きていけないのに、 そこを科学技術の力で抑え込んできたんですね。 ところがどうもそれでは具合が悪いところも起きていて、 もう一度自然にうまく適合するような生き方をするしかない」


長くなりました


明日はたぶん、自然豊かな田んぼを作ることに挑戦した農家の話です














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コメント 8

お茶屋

最後のお言葉,本当にグッとくる感じです・・・
by お茶屋 (2008-09-27 23:56) 

mitu

こんばんは。
いい話ですね!
偶然私の記事もコウノトリ出演しているのも、何かの縁ですかね。
コウノトリもトキも身近にいた鳥なんですよね。
豊岡市のような考えが、広がってくれると嬉しいです。
by mitu (2008-09-28 00:27) 

mimimomo

おはようございます^^
コウノトリって実際にいると言うことすら普段は忘れています。
自然が無いと生きていけない。人間ももう少し考え直さないとね~
この豊岡でしたっけ、素晴らしい取り組みですね~
by mimimomo (2008-09-28 04:26) 

qoo2qoo

こんにちは☆
鳥さん好きですね!!自分も好きです(笑
コウノトリさんは普通にいるんですね!
特別な場所にしかいないと今まで思ってました。
いい話でした。
※たまにはご飯物を載せてみました。
あと、カラオケは中止になりました><;
by qoo2qoo (2008-09-28 17:28) 

STEALTH

自然が自然のままでは人間はどうにも生き難い。その自然を自分たちの生き易いように文明とか科学とかで変化させたのが環境、そう解釈しています。
そして、調子にのって少しやりすぎたんじゃないか、と。
by STEALTH (2008-09-28 22:23) 

水郷楽人

コウノトリやトキなど自然をコントロールしようとする人間の試み、なかなか難しいところがありますよね。。
by 水郷楽人 (2008-09-29 09:49) 

sanjinsai

鳥や動物が生きていけなくなったら・・・。
人間だって同じだと思います。

by sanjinsai (2008-10-06 11:20) 

ゆめ乃

放鳥されたコウノトリは、福井の方まで飛んでくることがあります。
そう考えると、いろんな地域で自然と農業を考えなくてはいけなくなりますね。
そして、そのほうがうんとみんなのためにもなる・・・って。
ただ、いろんな方の協力は必要ですがね。
もちろん消費者も。
市長さんの言葉が、心にしみます。

by ゆめ乃 (2008-10-12 02:39) 

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